2025年6月16日月曜日

コザクラインコの秘密 BVAインターナショナル マスターズ

 ベルギーでは、『Lovebirds Compendium』の著者であるDirk Van den Abeele氏を代表にBVAインターナショナルという、コザクラインコを含め主にボタン属のブリーダーのための団体があり、毎年、マスターズという品評会が行われています。


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右端がDirk Van den Abeele氏 


このマスターズには世界中の名だたるブリーダーが参加していますが、その参加基準は非常に厳しく、5世代に渡って同種同色のインコを5羽以上繁殖して、生まれるインコの遺伝子を確定させる、つまり、とても厳しい審査に合格した血統書がBVAインターナショナルから与えられたインコしか参加が認められていません。

このようにマスターズに参加するには、インコの遺伝学を学んで正しい知識を身に着け、5世代に渡って同種同色のインコを5羽以上繁殖し、自分が繁殖した結果を血統管理書にまとめてBVAインターナショナルから認可されないとマスターズに参加できませんので、マスターズに参加するには、少なくとも8年くらいはかかり、マスターズは、その名の通り、マスターズしか参加できない非常に難易度が高い品評会です。


以下に2024年BVA mastersの様子が判る動画がアップロードされていますので、ご覧ください。




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水色のコザクラインコの探求(コザクラインコ ブリーディングマニュアル)


コザクラインコの秘密 青色や緑色の羽色の秘密

  コザクラインコの羽色は、遺伝子によって影響を受けないニュートラルな状態の時は、青色または緑色に発色します。

では、なぜ、コザクラインコの羽色が青色や緑色が発色するのでしょうか? 

以下に、その仕組みについて説明します。

 

まず、鳥の羽色は主に二つの要素によって構成されています。一つは色素色、もう一つは構造色です。

1 色素色は、アントシアニンやカロテンなどの色素によって赤色や黄色などの色を発色します。りんごの赤色、にんじんの黄色がその良い例です。

黄赤

2 一方、構造色は、羽の微細構造によって光が特定の波長で反射されることで、青色を中心に虹のような色が光って見える現象です。分かりやすい例ではCDに光が当たって反射する時の色がその良い例です。


CD (2)


鳥の羽色は、このような色素色と構造色の二つの要素が組み合わさって見えるもので、遺伝子がこれらに特別な影響を与えなければ、羽色は青色か緑色に見えます。

自然界において構造色で知られている生物には、モルフォ蝶、カワセミ、玉虫などがいます。


構造色


以下のリンク先では、その詳細がご覧いただけます。


 

また、以下の動画では鳥の構造色について、とてもわかりやすく解説されています。



 

青色や緑色の羽色は、ボタンインコの場合、b1」「b2」という遺伝子によってコントロールされています。


  • b1が発現すると羽色は青色
  • b2が発現すると羽色は緑色
  • b1b2が同時に発現すると、羽色は青緑色


一方、コザクラインコには、これらと同じ遺伝子は存在しませんが、ボタンインコのb1b2遺伝子が合体したような遺伝子のターコイズ遺伝子がコザクラインコにはあります。

このターコイズ遺伝子が発現すると、水色から青緑色までの色が連続調となり、この連続調の色の中の一部が1色となって発現します。


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2025年6月12日木曜日

白色のコザクラインコの秘密

  前回お伝えした通り、コザクラインコは、遺伝子が何も発現していないニュートラルな状態では、羽色は青色か緑色のコザクラインコになります。ところが、実際にはいろいろな羽色のコザクラインコがいます。

そこで今回は、そんな中でも最も質問が多い白色のコザクラインコに焦点を当てて、羽色の秘密について説明したいと思います。

 

では、以下の写真のコザクラインコをご覧ください。


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このコザクラインコは、一般的にアルビノまたはブルーイノと言われる、赤目で白色の羽色のコザクラインコです。

まず、目の色に注目すると、目の色は黒色や茶色ではなく、赤色です。
この目が赤色になる理由は、遺伝子によるものですが、目を赤くする遺伝子は、大別すると2種類の遺伝子があります。
1つは「イノ」と言われる遺伝子で、もう1つは「ファロー」と言われる遺伝子です。

 

まず、イノ遺伝子は目の色を暗い赤色に変化させ、青色をほとんど減色させるため、青色の羽色は白色になり、緑色の羽色は黄色になります。つまり、ブルーイノは白色、グリーンイノは黄色になります。

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次にファロー遺伝子ですが、ファロー遺伝子には4種類あり、
1.ブロンズ
2.ペール
3.ダン
4.アシェン
の4種類です。


1.ブロンズファロー遺伝子は、目の色を明るく濃い赤色に変化させますが、羽色にはほとんど影響を与えません。

2.ペールファロー遺伝子は、目の色を明るい赤色に変化させ、羽色の青色が強く減色し、青色の羽色は白色、緑色の羽色は黄色になりますが、腰から尾にかけて元の羽色がわずかに表現されます。

3.ダンファロー遺伝子は、目の色を明るく濃い赤色に変化させ、羽色にはほとんど影響を与えません。コザクラインコには存在しない遺伝子で、異種交配での移植ではなく、オリジナルでこの遺伝子を持つボタン族のインコは、キエリボタンインコだけです。それ以外では、ウロコインコのファロー遺伝子は、このダンファロー遺伝子だけです。

4.アシェンファロー遺伝子は、オカメインコだけに確認されている遺伝子で、目の色を明るく濃い赤色に変化させ、黒色の羽色をグレーに変化させます。

 

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2025年6月11日水曜日

コザクラインコの種類や羽色について

 毎日さまざまなお問い合わせをいただきますが、その中でも最も多いのが、コザクラインコの種類や羽色に関するご質問です。そこで今回から、コザクラインコの種類や羽色にまつわる謎についてご紹介いたします。

 

2016年、Dirk Van den Abeele氏によって『Lovebirds Compendium』というマニュアルが発行されました。この書籍はコザクラインコを含む「ボタンインコ属(Lovebirds)」に関する遺伝学やその仕組みを解説したもので、当時としては画期的な内容を持ち、遺伝子や羽色に関する多くの謎を解明するものでした。


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このマニュアルは、世界標準の教科書として位置づけられ、コザクラインコの種類や羽色の表記方法を国際的に統一しました。

ただし、すべてを解明したわけではなく、あくまで当時判明していた範囲に基づいた内容です。その後もゲノム解析の進展により、数多くの新たな発見が報告されています。

とはいえ、羽色の基本的な分類や表記方法については、現在でもこのマニュアルの考え方が世界中のブリーダーたちに広く採用されています。

今回は、その中でも最も標準的な種類と羽色について、分かりやすくご説明いたします。


では、以下の写真のコザクラインコをご覧ください。このコザクラインコは、どのように表記すればよいでしょうか?


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まず、最初に理解すべき点は、コザクラインコは遺伝子の影響を一切受けていない「ニュートラルな状態」では、羽色が青色または緑色のいずれかになるということです。
つまり、コザクラインコは、この2種類に分類されます。したがって、写真のコザクラインコは「青色タイプ」のコザクラインコであると判断できます。

 

さらに、青色タイプのコザクラインコの顔色は白色、緑色タイプの顔色は赤色になります。世界的には、顔色が赤いコザクラインコを「RF(レッドフェイス)」とは表記しません。同様に、顔色が白いコザクラインコに対しても「WF(ホワイトフェイス)」という表記は用いませんし、そのような遺伝子もありません。

ところが、特に日本国内においては、顔色が白いコザクラインコを「WF(ホワイトフェイス)」と表記している例が見られます。
しかし、このような遺伝子は存在しないことからも、その表記は明らかに誤りであるため、ご注意ください。

 

また、青色タイプのコザクラインコについて、あえて羽色を明示したい場合は「*blue*」または日本語で「ブルー」と表記することもあります。
ただし、青色は本来「ニュートラルな色」であるため、通常は表記されません。
とはいえ、意図的に色の印象を明確にしたい場合には、「*blue*」あるいは「ブルー」と記載することがあります。

 

次に、コザクラインコの「種類」は、基本的に遺伝子名で表記されます。
今回の写真のコザクラインコが発現している遺伝子は、「ダーク」と「バイオレット」の2種類の遺伝子です。
したがって、このコザクラインコは「ダークバイオレット」に分類されます。

より詳しく補足した表記としては、「ダーク*blue*バイオレット」または「ダークブルーバイオレット」などと記されることがあります。

 

■ まとめ:

1.  コザクラインコは、遺伝的な影響を受けないニュートラルな状態では、羽色が青色または緑色になる。

2.  青色タイプの個体の顔色は白色、緑色タイプの顔色は赤色になる。

3.  青色はニュートラルな色であるため、通常は表記されないが、あえて表記する場合は「*blue*」または「ブルー」と表記することがある。

4.  コザクラインコの種類は、遺伝子名で表記する。

 

以上の4つの要素から、コザクラインコの種類は決定され、表記されています。


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若鳥からの餌は、30日分450gで3000円です。


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餌


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・ご購入のお申込み、お問い合わせは、お手数ですが、必ず同ブログ内の「ご購入について」をお読みいただいた上で同ページのフォームからお願いします。 

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